平成30年的山口百恵考

 2018.02.19 Monday 

別に山口県へ行ったからというわけではありませんが、最近なんだかマイブーム的にじわじわ来ているのが山口百恵。

 

現役の頃は、それほど熱烈なファンというわけではなく、コンサートへ行ったこともなく、ブロマイドやポスターを収集していたわけでもなく、「ああ、百恵ちゃんか、可愛いなあ。」と思っていた程度。

もちろんレコードは数枚持っておりますが、サインをもらったわけでもなく、もちろん本人を生で見た経験もありません。

 

私は特に芸能人の誰が特別に好きということはなかったのです。

私の時代はアイドル全盛期で、スター誕生というオーディション番組から次々とアイドルが出ていた時代でしたから、みんな誰かしらお気に入りのアイドルがいて、クラスでは休み時間になるとそういうアイドルの話題でもちきりでしたが、私はどちらかというと蒸気機関車に夢中でしたから、アイドルにはあまり興味がありませんでした。

興味がないと言っても、アイドル全盛時代に少年期を過ごしましたから、「私の彼は左利き」とか「ようこそここへ、クッククック」なんてのは今でもソラで歌えるという悲しいサガも持ち合わせているのも事実なんですが、でも、キャンディーズのさよならコンサートを後楽園に見に行くこともしませんでしたし、切符が買えないからといって、当時の後楽園球場の近くへ行って漏れ聞こえてくる歓声を耳に、熱気を感じようなどということも思ったことはありません。自宅から地下鉄で10数分と近かったんですけどね。

 

そんな私が、なぜか最近山口百恵にじわじわ来ているわけで、自己分析的にもどうしてか理解できないのです。

 

百恵ちゃんが引退したのは1980年ですから今からかれこれ38年も前。

彼女は見事に引退以来一度も姿を現していないのが実は素敵なところなのかもしれませんが、だからと言って「今頃どうしているかなあ。」などと初恋のガールフレンドを思い出すように遠くを見ているわけでもありません。

 

強いて言うなら、彼女が引退したのが21歳の時で、今、自分の娘が同じ21歳なんですが、とてもじゃないけど娘が百恵ちゃんが引退したのと同じ21歳には見えないのであって、つまりは、あの「さよならの代わりに、ありがとう。」と言ってマイクを置いた、あのシーンは百恵ちゃんが21歳の時だったわけで、あの当時の21歳は、なんだかんだ言ってすごかったなあと思うのであります。

自分も含めて当時の若者たちは今から見るとどうも背伸びする傾向があったようで、みんな早く大人になりたいという中にあって、特に百恵ちゃんは実に大人っぽかったわけで、その大人っぽさが、今となってなんとなくじわじわと気になるのであります。

 

 

古いネガを整理していたら出てきましたよ、百恵ちゃんが。

 

 

アップにするとこんな感じ。

 

小海線 50.8.19 とありますから、昭和50年の夏休みに小海線に行った時のネガですね。

私は15歳で百恵ちゃんは17歳ですか、いや、彼女は早生まれだから16歳かな。

 

今から42年前。

いやいや、なんと、実に、大昔です。

どのぐらい大昔かというと、この「小海線 50.8.19」に写っている写真がこれですから。

 

▲清里

 

▲ 野辺山

 

ネガの保存状態が良くないので、なおさら昔っぽく見えますが、やっぱりかなり昔ですよ。

清里駅のお姉さんたちは皆さん還暦を迎えるころでしょうし、野辺山駅で写ってるディーゼルカーはキハ52。

キハ52って実はそんなに古い車両なんですが、それが今でもいすみ鉄道で見られるのですから、百恵ちゃんの姿も見たいなあ。

いやいや、今さら、大切な思い出をぶち壊すようなことをしてはいけませんね。

こっちだって、髪の毛が薄くなって腹が出ている単なるおっさんなのですから。

 

いずれにしても、私の内面で、どういうわけか百恵ちゃんが最近幅を利かせてきているわけで、だからと言って、どうこうするわけでも、できるわけでもありませんが、これは年を取った証拠でしょうか。

 

こういう時に「赤いシリーズ」デジタルリマスター版なんてDVDが出たら、たぶん、きっと、必ず、全巻セットで買ってしまうのでしょう。

こういう、高齢者向け需要というのが、この国には確実に存在しているということなのです。

 

昭和の少年少女の皆さん、皆さん的には、最近誰にじわじわ来ていますか?

 

ということで、私はそろそろ還暦が近づいてきたわが家の百恵ちゃんを相手に、今夜もいつものように晩酌をしようと思います。

でも、向こうは猫と戯れていて、私の相手はしてくれそうにありませんので、さっき福井で買ってきた「一本義」を片手に、つまみの「蟹とたはむる」のでございます。

 

カニ寿司 830円。

 

至福の時でございます。

 

内緒のはなし

 2018.02.18 Sunday 

変な名前の列車が走っていると聞いていたので乗りに行って見ました。

 

内緒ばなしではありませんが、その列車の名前は「〇〇のはなし」。

もちろん内緒ばなしでも良いんですよ。乗った人が自分で勝手に名前を付ければよいのですから。

 

 

 

 

どういう経緯でネーミングしたのかはさておき、車齢40年近くのディーゼルカーを改造したとは思えぬきれいな車内。

 

 

これで520円の座席指定料金とは何とも太っ腹ですね。

そう、場所は山口県の山陰本線。私の大好きな路線です。

 

 

山陰本線といえば私が初めて乗ったのは昭和49年。もちろん当時はD51が引く旧型客車ですから、煙まみれの旅でしたが、その当時と沿線風景はほとんど変わらないのが何とも不思議。東萩駅の駅前にはマンションこそ立ちましたが、ホームの感じは当時そのままです。

 

 

2両編成のうちの1両は和風テイスト。こちらは洋風テイストの車両です。

座席は基本的には海の方を向いています。

 

 

その理由はこの景色。

実にすばらしい。

 

 

もちろん観光列車ですから、地元のお酒でのんびりと。

私は当日切符を買いましたが、事前予約すればきちんとしたお弁当やお酒などが供される列車です。

 

 

 

途中駅では30分ほど停車して、地元の温泉街の皆様方が足湯を提供。

足湯はちょっとという方へは、手湯のサービスもありました。

なかなかよろしいかと思います。

 

 

 

駅では地元の皆様のお見送りもあります。

 

 

山陰本線は単線区間ですから当然列車すれ違いのための停車もあります。

でも、どうせ停めるならと、この駅で停車してお客様は駅前で記念撮影。

 

 

 

そう。この駅はインスタ映えで有名になった神社の最寄駅ということで、「また来てみようかなあ。」と思いました。

 

 

 

私が乗ってるよと言いましたところ、山口県の地元の友人が追っかけをしてくれて、列車が一時停車するビューポイントで下から撮影してくれました。

 

 

列車から見るとこんな感じ。

笑っちゃいますね。

おかげさまで、なかなか楽しい観光列車でしたよ。

 

昨今ではいろいろ豪華な列車なども走っているようですが、こういう観光列車も楽しいですね。

サービスの内容や販売している商品、イベント内容など、いろいろ課題はあるようですが、それは天下の大企業がされていることですから、私がいちいち口出しをすることではありません。

 

だって、この列車90%以上の乗車率だったのですから。

すごいですよ、2月のこの時期に。

やはり、団体さんが9割以上だからです。

観光列車は如何にして団体で席を埋めるかが問われますね。

 

今回の山陰本線に乗車して、実は収穫がありました。

大きな気付きをいただいたのです。

何に気づいたかって、海の美しさの理由です。

 

 

 

 

皆さん、なぜ山陰本線の車窓から見る海岸線がこれほど美しいのか。

それは、順光だからです。

 

私たちふだん太平洋側にいる人間って、いつも海を見るときは逆光なんです。

なぜなら海が南側にあって、太陽が南だから。

ところが、日本海って太陽を背にして北を向いて海を見るんですね。

だから、車窓からの海の景色がとてもきれいに見えるんです。

40年以上も前から山陰本線に乗ってて、今気づきました。

 

日本海側とか、裏日本とか言われますが、太平洋側よりも大きなチャンスがあるかもしれませんよ。

 

そして、2月のこの時期になぜ団体で満席になるのか。

その理由は今年は明治維新150年だからです。

維新のふるさと萩を訪れようという観光客がとても多いと言っていました。

 

歴史に興味がない人間としては、これもまた新しい気付きです。

 

 

長門市を出てしばらく進むと、線路が南に向いて下ってきます。

ということは海が西側になりますから、最後は沈みゆく夕日が楽しめる。

というのもこの路線の特徴ですね。

 

楽しい山陰本線の観光列車「〇〇のはなし」。

いろいろ勉強させていただきました。

パクれるものも数々ありそうです。

 

何をパクるかって?

 

それは内緒のおはなしです。

 

謎の20分停車

 2018.02.17 Saturday 

2月10日のダイヤ改正は、平日ダイヤは地元の学生さんが利用しやすいように、学校からの要望を受けてある程度ダイヤを修正した形になっていますが、土休日の列車は、観光需要がほとんどですから、観光客の皆様方を対象にしたダイヤになっています。

 

通常、鉄道会社がダイヤ改正をするということは、スピードアップをして所要時間が短くなりましたとか、接続がよくなりましたなど、お客様の利便性を重視していると思いますが、観光需要を考えた場合、その利便性というのは、早く到着することでもなければ、1分で接続するようなことでもありません。

それは、ふつうの鉄道というのが「目的地へ行く」ために乗るのに対して、観光鉄道は「乗ることそのものが目的」でありますから、いすみ鉄道のようなローカル線は、のんびり、ゆったりとご利用いただくことが、観光のお客様への利便性につながるからです。

 

今回のダイヤ改正では、今まで、午前9時台の次は13時まで国吉駅に急行列車は行かなかったのですが、ちょうどお昼前後に上下それぞれの列車が10分程度の停車をします。その理由はもちろん駅弁が売れるように。国吉駅ではカケス団長をはじめとする応援団の皆様方が駅弁の立ち売りをしてくれていますので、昭和の列車で窓を開けて駅弁を買うという体験を乗客の皆様方にしていただきたいのです。

他にも、終点の上総中野駅では今までキハの列車が小湊鉄道の列車に接続していましたが、今回の改正ではキハと小湊鉄道の列車が出会うのが夕方16時台のみ。その理由はもちろん夕方まで皆様方に滞在していただきたいからです。

そして、日中時間帯は上総中野駅で小湊鉄道からいすみ鉄道への接続時間が30分から40分以上と、実に待ち時間が長くなりました。今まで数分で接続する列車が多かったのですが、待ち時間を長くすることで、お客様が駅前を散策しやすくなりますし、最近は上総中野の地元の皆様方が駅前でイベントを開催していただけるようにもなりましたので、お客様の滞留時間を長くすることで、地元にお金が落ちやすくなるという効果を狙っております。

 

そして、極めつけは急行5号の大多喜20分停車。

列車番号105Dの急行5号は14:40に大原を発車して国吉駅で14:56から15:11まで15分停車。その後、大多喜に15:23に到着して15:43まで、何と20分間の停車です。そして終着の上総中野到着は16:07。通常50分で走る大原ー上総中野間を1時間半かけて走る実に鈍足な急行列車で、「お前、これで急行料金を取るなんてけしからん。」と言われるかもしれませんが、いすみ鉄道のキハは「乗ることそのものが目的の観光急行列車」ですから、高い料金を払ってすぐ着いてしまうのではなくて、高い料金を払ったらその分長く乗っていられる乗り得な列車。乗り鉄の師である宮脇俊三先生のお言葉に従った昭和の急行列車なのであります。

そして、この15時台の大多喜での20分停車の目的は何かというと、お土産を買っていただくこと。

大多喜駅の売店で、お土産を買っていただき、その後、小湊鉄道へお乗り継ぎいただいて東京方面へお帰りいただくという設定の列車なのです。

 

実に実に、いすみ鉄道の急行5号は、お土産を買っていただくために20分も停車するという前代未聞の定期急行列車なのでありますが、国吉で15分、大多喜で20分間停車するという連続長時間停車を味わえるような汽車旅は、今の日本ではなかなか味わえませんから、昭和の急行列車の汽車旅を再現するいすみ鉄道にはぴったりの列車なのです。

 

そして、こういうゆったりとしたダイヤを組んでみると、乗務員も精神的なゆとりができますから、自然と笑顔が生まれます。

 

お客さんも職員も、みんな笑顔になれるローカル線の観光列車なのであります。

 

どうですか。乗って見たくなったでしょう。

乗車券のほかに料金をいただいているにもかかわらず、これだけ表定速度の低い急行列車は、たぶん日本には他にはないでしょう。そう、この急行5号は日本一遅い急行列車。実は貴重な体験ができる列車なのであります。

 

 

 

窓を開けて駅弁を買うどころか、停車時間があると駅弁売りのおじさんはこのように列車に乗り込んできます。

これは楽しい体験ですよね。

 

ONSEN・ガストロノミーウォーキングin美食の街いすみ

 2018.02.16 Friday 

この春は、いすみ市がどんどん面白くなってきています。

 

美食の街をテーマに地域を歩くONSEN・ガストロノミーウォーキングの第1回が3月4日にいすみ市で開催されます。

 

ONSEN・ガストロノミーウォーキングのWEBページ  (←ここをクリック)

 

3月4日、いすみ市役所に集合して、おいしいものがたくさんあるいすみ市内の約9kmのコースを歩いて回ろうというウォーキング企画です。(有料、事前申し込みが必要です。)

 

【以下、詳細を申し込みページから抜粋します。】

 

********************************************************

 

東京駅から特急で70分。いすみ市は太平洋に面した豊かな自然に恵まれた温暖な地域です。日本有数の漁獲高を誇る伊勢えびをはじめ、マダコやヒラメ、タイなどの魚介類、国際線ファーストクラスにも使われたいすみ米、チーズや日本酒に加え、ドラマ孤独のグルメでブレイクしたいすみ豚など多くの食材に恵まれ、日本を代表する料理人の方々にもお使いいただいております。
今回はいすみの食材の魅力をより多くの方に伝えるため、「ミシュランガイド東京2018」にて一つ星に輝いたレストランのオーナーシェフである杉本敬三シェフ(いすみ大使)にも参加いただき、1日限りの特別な一皿をご提供します。

 

「ONSEN・ガストロノミーツーリズム」とは、日本の魅力あふれる温泉地を拠点にして、その地域特有の「食」、「自然」、「文化・歴史」すべてをウォーキングによって、一度に「体感」できる新たなツーリズムです。
温泉地界隈の自然・歴史を感じながら「めぐって」、その土地の美味しいもの・お酒を「食べて(飲んで)」、そしてウォーキングの後には温泉に「つかって」と楽しんで頂くイベントとしてONSEN・ガストロノミーウォーキングを開催いたします。

 

【当日受付会場】いすみ市役所 大原庁舎
【スタート】いすみ市役所前(JR・いすみ鉄道大原駅から徒歩8分)
【ゴール】木戸泉酒造(JR・いすみ鉄道大原駅から徒歩3分)

当日受付 スタート時間の20分前
出発 9:00〜10:20 ※受付後時差出発(20分ごと)
最終ゴール時間 15:00
コース上のいくつかのガストロノミーポイントで食べて、飲んで、めぐる、3〜4時間かけてゆっくり楽しむウォーキングです。

 

いすみ市は豊かな里山・里海から育まれる、高品質な農水産物が生産される食の台所。そんないすみ市では現在「美食の街いすみ〜サンセバスチャン化計画〜」が進められています。その計画のうちの一つとして、日本最大の若手料理人のコンペティション「RED U-35」の初代グランプリであり、いすみ大使でもある、レストラン ラ フィネスの「杉本敬三」シェフが今回いすみ市のONSEN・ガストロノミーに協力してくれることになりました。その他にもいすみが誇るチーズ、イセエビ、地酒など盛りだくさんで皆様をおもてなしいたします。

・フロマージュKOMAGATA「酒びたし」
JAL国際線ファーストクラスに採用されたチーズ。地酒木戸泉に浸して作られたチーズは口の中で日本酒の風味を放ちながらトロけ広がっていきます。
・イセエビ汁
日本トップクラスの水揚げ高を誇り、その味は一流の料理人をも魅了するいすみ産イセエビ。今回はイセエビの風味を余す所なく味わえる味噌汁でお楽しみいただきます。
・たこしゃぶ
産卵直前の肉厚のマダコは12月から3月までのまさに大原漁港の旬の味覚。「ミシュランガイド東京2018」にて一つ星に輝いたレストランのオーナーシェフである杉本敬三シェフの渾身のつけダレで召し上がれ!
・杉本敬三シェフの本日の一皿
メニューは当日までのお楽しみ。RED U-35(ぐるなび主催)初代チャンピオン、料理マスターズ(農林水産省顕彰)受賞、更に「ミシュランガイド東京2018」にて一つ星に輝いたレストランのオーナーシェフである杉本敬三シェフがいすみの食材を使って、特別な一皿をご用意します。数多の食通を魅了する杉本シェフの一皿にご期待ください。
・源氏食堂のしゅうまい
ドラマ「孤独のグルメ」により一目脚光を浴びた源氏食堂。石破前大臣も絶賛したいすみ豚を使ったジューシーな手作りしゅうまいは食べずには帰れません。
・高秀牧場の自家製ジェラート
フランスの国際チーズコンクールで最優秀賞を獲得した高秀牧場。昨年から自家製ミルクでジェラートも作り始めました。希少なため、いすみ市でしか食べられません。
・木戸泉
木戸泉こだわりの製法、高温山廃仕込みをご存知ですか。純米AFSのすっきりとしたキレのある酸味やその甘みは極上の白ワインのようです。その他にも自然舞や純米醍醐など料理に合わせた日本酒をお楽しみください。

 

**********************************************************

 

 

実はこれ、私の友人で観光プロフェッショナルの丁野朗さんという方が関わっている企画です。

いすみ鉄道が走るいすみ市を盛り上げようと、協力してくれているのです。

 

ああ、伊勢海老か。

最近食べてないなあ。

 

そういうあなたも私も、ぜひご参加ください。

 

詳細はWEBページで。

 

皆様のご参加をお待ちいたしております。

観光列車の回転率

 2018.02.15 Thursday 

釧網本線で観光列車を走らせる場合は、できるだけお客様を入れ替えて回転率を上げるべきだというお話をしました。

 

でも、それだけでは不十分で、観光列車そのものの回転率を上げなければならないと私は考えます。

 

釧網本線の話をすれば、当然、根室本線(釧路ー根室)の話もしなければなりませんが、根室本線も釧網本線に負けず劣らず観光的要素が強いところで、こちらはさらに日本の最東端の駅、東根室がありますから、鉄道ファンならずともぜひ行って見たいところということになります。

地元の人はなかなか理解できないかもしれませんが、われわれ内地の人間にとってみたら、最北端とか最東端とか、実にそれだけで旅行の目的地になるような、郷愁を誘うような言葉の響きがありまして、「北へ向かう」などというと、旅情を掻き立てられるのです。

そのことは、かつて走っていた「北斗星」の予約率にもよく表れていて、札幌へ向かう列車は満席でも、上野へ戻ってくる列車は空席があるということがよくありましたが、まさしくこれは、「北へ向かう」という旅情なのでありまして、北斗星は往路を楽しんで、帰りはサッと飛行機で帰ってくるというのがお客様の要望だったのでありますが、だとすれば、せっかく釧路まで行くのですから、観光のお客様としては、絶対に根室にも行って見たい、日本の一番東の駅にも降り立ってみたいという気持ちになりますから、そこに観光地としての需要があるのです。

 

また、根室本線の沿線は、厚岸湾や霧多布湿原など、鉄道の車窓からは味わえない素晴らしい景色もありますから、例えば釧路発着のツアーで、行きは鉄道、帰りはバス。そしてその反対コースと2つのコースを設定すれば、1往復の列車で2組のお客様にご乗車いただくことができますから、客回転が上がりますね。そして、同じ編成の車両を使って、土曜日は根室本線、日曜日は釧網本線というコースを組めば、釧路に滞在して両方の列車に乗りたいという需要にも答えることができると思います。

 

また、根室本線は釧網本線に比べると距離が短いですから、片道3時間程度の観光列車になると思います。とすれば、列車は夕方の4時頃には釧路に戻ってきますから、その車両を釧路ー白糠あたりを往復させて、夕日を見ながらおいしいシシャモなどの海産物に舌鼓を打つという「夕暮れのチョイ飲み列車」のようなものを走らせることも可能です。これが列車の回転を上げるということです。

 

1編成の観光列車が、土曜日に釧路→根室・根室→釧路と2組の客を乗せ、戻って来たらチョイ飲み列車で1組乗せて、翌日の日曜日は釧網本線で4組の客を乗せる。こうすれば土日で7回の客回転ができますね。そしてその度に食事や飲み物、お土産品なども売れるということになりますから、鉄道運賃収入だけじゃない部分も大きなものになります。

 

では、土日に根室、釧網で7回の客回転をした列車はどうするかというと、月曜日に釧路から札幌へ向かうクルーズトレインとして丸一日かけて移動します。当然、全区間乗せる商品だけではなくて、釧路ー帯広・帯広ー札幌でお客様を入れ替えて回転を上げることも必要でしょう。そして札幌で火曜日1日整備を行います。というのも、現在のJRの運行体制を考えると、例えば車両の点検やトイレの汚物処理など、各地域でできない可能性がありますから、週に一度ぐらいは札幌に一旦車両を戻す必要があるからで、その整備点検を火曜日に行って、水、木、金曜日は冬の期間であれば札幌ー小樽ーニセコ(ー長万部)のコースで1日1往復。夏であれば札幌から富良野を1日1往復して、土曜日は札幌から宗谷本線の稚内まで、1日コースの「さいはてクルーズ」。朝札幌を出て、夕方稚内に到着した列車は、夜行列車となって一晩かけて札幌へ戻り、翌日の日曜日に再度「さいはてクルーズ」で稚内へ向かい、月曜日の朝帰って来て、整備を受ける。こういうことを繰り返すことで、道東地区、道北地区、札幌地区の観光列車が1編成で出来上がるわけです。

 

箇条書きにするとこんな感じです。

 

土曜日 根室本線 釧路ー根室ー釧路 釧路ー白糠ー釧路

日曜日 釧網本線 釧路ー網走ー釧路

月曜日 クルーズトレイン 釧路ー札幌

火曜日 点検整備

水曜日 札幌ーニセコ(富良野)

木曜日 札幌ーニセコ(富良野)

金曜日 札幌ーニセコ(富良野)

土曜日 クルーズトレイン 札幌ー稚内ー札幌(帰路は夜行)

日曜日 クルーズトレイン 札幌ー稚内ー札幌(帰路は夜行)

月曜日 点検整備

火曜日 チャーター運転用予備日

水曜日 札幌ーニセコ(富良野)

木曜日 札幌ーニセコ(富良野)

金曜日 札幌ーニセコ(富良野) 札幌ー釧路(夜行)

 

という2週間1サイクルです。

 

根室本線、釧網本線、宗谷本線はそれぞれ1週おきの運転になりますが、当初は集客に苦しむことも考えられますから、まずは1編成の観光列車で、いかに回転を上げてたくさんのお客様を乗せることができるか、ということが勝負になるでしょう。

 

もちろん、世界中から注目を浴びている北海道で観光列車を走らせるのですから、いすみ鉄道のようなオンボロのディーゼルカーではお話になりませんね。まして気象条件の厳しい大自然の中を走る北海道の鉄道ですから、世界中のお客様をお迎えするという意味でも、きちんとした観光列車用の車両を作る必要が出てくるでしょう。

ただし、観光列車は高速運転する必要はありませんから、ディーゼルカーだとしても全部の車両にエンジンを搭載する必要はないでしょうし、最新鋭の技術が必要なこともないと考えられますから、比較的安価に製作することは可能でしょう。個室でバスタブを付けるなんてこともやる必要ありませんから、せいぜいグループ6人用のコンパートメントにカラオケを取り付けて、夜行列車になる時はB寝台になるとか、食堂車を連結してバーカウンターを設置するなどの工夫があれば十分だと思います。

それと外国人用として忘れてはならないのがお座敷車両。通路を挟んで畳が敷かれて、掘りごたつになっているような車両があれば、外国人に大人気になりますし、日本人でも高齢者にとっては喜ばれるでしょう。

 

コンパートメント+食堂車+グリーン畳+グリーン座席+普通座席車というような感じでしょうかね。

 

普通座席車を連結するのは、列車本数が少ない北海道では地元の人の利用に応える必要があるということと、時刻表に載るということ。時刻表に掲載されれば、いつ、どこで観光列車が走るか、誰にでもよくわかりますからね。

 

そして、その観光列車の車両の最大の条件は、「撮り鉄」の皆様方の注目を浴びる車両であること。わざわざ北海道まで出かけて行ってでも撮影したくなるような車両じゃなければ意味がありません。

その理由は、乗せて何ぼの鉄道ビジネスではありますが、実際に乗せることができるお客様には限りがありますが、撮り鉄の皆さんであればたくさん来ても困りません。困るどころか、そういう皆さんが地域のお金を落としてくれて、地域を宣伝してくれるのですから、そういう意味で観光列車を走らせる大きな価値があるのです。

 

どうですか?

夢が膨らみますね。

列車の回転を上げて、お客様の回転も上げて、一週間ごとに道東と道北で走って、平日は集客のしやすい札幌近郊で走り、道東、道北の行き帰りにはクルーズトレインや夜行列車にもなる。まして、車両は鉄道ファンの皆様方が、わざわざ北海道まで撮影に来たくなる車両であれば、たった1編成、せいぜい5両編成程度の列車を作るだけで、北海道全体の観光振興になる。

これが現時点で私が考える北海道の観光列車の在り方ということであります。

 

そして、問題としては、お金をどうするかということと、誰がやるのかということ。

まあ、お金は何とかなるとして、きちんとしたサービス、それも最高峰のサービスをいったい誰がやるのか。

 

ここなんですよね。

克服しなければならない問題は。

 

ああ、考えるとまた眠れなくなりそうなのであります。

 

以上は、ひとり言の戯けですから、皆さんあまり気にしないでくださいね。

 

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