内緒のはなし

 2018.02.18 Sunday 

変な名前の列車が走っていると聞いていたので乗りに行って見ました。

 

内緒ばなしではありませんが、その列車の名前は「〇〇のはなし」。

もちろん内緒ばなしでも良いんですよ。乗った人が自分で勝手に名前を付ければよいのですから。

 

 

 

 

どういう経緯でネーミングしたのかはさておき、車齢40年近くのディーゼルカーを改造したとは思えぬきれいな車内。

 

 

これで520円の座席指定料金とは何とも太っ腹ですね。

そう、場所は山口県の山陰本線。私の大好きな路線です。

 

 

山陰本線といえば私が初めて乗ったのは昭和49年。もちろん当時はD51が引く旧型客車ですから、煙まみれの旅でしたが、その当時と沿線風景はほとんど変わらないのが何とも不思議。東萩駅の駅前にはマンションこそ立ちましたが、ホームの感じは当時そのままです。

 

 

2両編成のうちの1両は和風テイスト。こちらは洋風テイストの車両です。

座席は基本的には海の方を向いています。

 

 

その理由はこの景色。

実にすばらしい。

 

 

もちろん観光列車ですから、地元のお酒でのんびりと。

私は当日切符を買いましたが、事前予約すればきちんとしたお弁当やお酒などが供される列車です。

 

 

 

途中駅では30分ほど停車して、地元の温泉街の皆様方が足湯を提供。

足湯はちょっとという方へは、手湯のサービスもありました。

なかなかよろしいかと思います。

 

 

 

駅では地元の皆様のお見送りもあります。

 

 

山陰本線は単線区間ですから当然列車すれ違いのための停車もあります。

でも、どうせ停めるならと、この駅で停車してお客様は駅前で記念撮影。

 

 

 

そう。この駅はインスタ映えで有名になった神社の最寄駅ということで、「また来てみようかなあ。」と思いました。

 

 

 

私が乗ってるよと言いましたところ、山口県の地元の友人が追っかけをしてくれて、列車が一時停車するビューポイントで下から撮影してくれました。

 

 

列車から見るとこんな感じ。

笑っちゃいますね。

おかげさまで、なかなか楽しい観光列車でしたよ。

 

昨今ではいろいろ豪華な列車なども走っているようですが、こういう観光列車も楽しいですね。

サービスの内容や販売している商品、イベント内容など、いろいろ課題はあるようですが、それは天下の大企業がされていることですから、私がいちいち口出しをすることではありません。

 

だって、この列車90%以上の乗車率だったのですから。

すごいですよ、2月のこの時期に。

やはり、団体さんが9割以上だからです。

観光列車は如何にして団体で席を埋めるかが問われますね。

 

今回の山陰本線に乗車して、実は収穫がありました。

大きな気付きをいただいたのです。

何に気づいたかって、海の美しさの理由です。

 

 

 

 

皆さん、なぜ山陰本線の車窓から見る海岸線がこれほど美しいのか。

それは、順光だからです。

 

私たちふだん太平洋側にいる人間って、いつも海を見るときは逆光なんです。

なぜなら海が南側にあって、太陽が南だから。

ところが、日本海って太陽を背にして北を向いて海を見るんですね。

だから、車窓からの海の景色がとてもきれいに見えるんです。

40年以上も前から山陰本線に乗ってて、今気づきました。

 

日本海側とか、裏日本とか言われますが、太平洋側よりも大きなチャンスがあるかもしれませんよ。

 

そして、2月のこの時期になぜ団体で満席になるのか。

その理由は今年は明治維新150年だからです。

維新のふるさと萩を訪れようという観光客がとても多いと言っていました。

 

歴史に興味がない人間としては、これもまた新しい気付きです。

 

 

長門市を出てしばらく進むと、線路が南に向いて下ってきます。

ということは海が西側になりますから、最後は沈みゆく夕日が楽しめる。

というのもこの路線の特徴ですね。

 

楽しい山陰本線の観光列車「〇〇のはなし」。

いろいろ勉強させていただきました。

パクれるものも数々ありそうです。

 

何をパクるかって?

 

それは内緒のおはなしです。

 

謎の20分停車

 2018.02.17 Saturday 

2月10日のダイヤ改正は、平日ダイヤは地元の学生さんが利用しやすいように、学校からの要望を受けてある程度ダイヤを修正した形になっていますが、土休日の列車は、観光需要がほとんどですから、観光客の皆様方を対象にしたダイヤになっています。

 

通常、鉄道会社がダイヤ改正をするということは、スピードアップをして所要時間が短くなりましたとか、接続がよくなりましたなど、お客様の利便性を重視していると思いますが、観光需要を考えた場合、その利便性というのは、早く到着することでもなければ、1分で接続するようなことでもありません。

それは、ふつうの鉄道というのが「目的地へ行く」ために乗るのに対して、観光鉄道は「乗ることそのものが目的」でありますから、いすみ鉄道のようなローカル線は、のんびり、ゆったりとご利用いただくことが、観光のお客様への利便性につながるからです。

 

今回のダイヤ改正では、今まで、午前9時台の次は13時まで国吉駅に急行列車は行かなかったのですが、ちょうどお昼前後に上下それぞれの列車が10分程度の停車をします。その理由はもちろん駅弁が売れるように。国吉駅ではカケス団長をはじめとする応援団の皆様方が駅弁の立ち売りをしてくれていますので、昭和の列車で窓を開けて駅弁を買うという体験を乗客の皆様方にしていただきたいのです。

他にも、終点の上総中野駅では今までキハの列車が小湊鉄道の列車に接続していましたが、今回の改正ではキハと小湊鉄道の列車が出会うのが夕方16時台のみ。その理由はもちろん夕方まで皆様方に滞在していただきたいからです。

そして、日中時間帯は上総中野駅で小湊鉄道からいすみ鉄道への接続時間が30分から40分以上と、実に待ち時間が長くなりました。今まで数分で接続する列車が多かったのですが、待ち時間を長くすることで、お客様が駅前を散策しやすくなりますし、最近は上総中野の地元の皆様方が駅前でイベントを開催していただけるようにもなりましたので、お客様の滞留時間を長くすることで、地元にお金が落ちやすくなるという効果を狙っております。

 

そして、極めつけは急行5号の大多喜20分停車。

列車番号105Dの急行5号は14:40に大原を発車して国吉駅で14:56から15:11まで15分停車。その後、大多喜に15:23に到着して15:43まで、何と20分間の停車です。そして終着の上総中野到着は16:07。通常50分で走る大原ー上総中野間を1時間半かけて走る実に鈍足な急行列車で、「お前、これで急行料金を取るなんてけしからん。」と言われるかもしれませんが、いすみ鉄道のキハは「乗ることそのものが目的の観光急行列車」ですから、高い料金を払ってすぐ着いてしまうのではなくて、高い料金を払ったらその分長く乗っていられる乗り得な列車。乗り鉄の師である宮脇俊三先生のお言葉に従った昭和の急行列車なのであります。

そして、この15時台の大多喜での20分停車の目的は何かというと、お土産を買っていただくこと。

大多喜駅の売店で、お土産を買っていただき、その後、小湊鉄道へお乗り継ぎいただいて東京方面へお帰りいただくという設定の列車なのです。

 

実に実に、いすみ鉄道の急行5号は、お土産を買っていただくために20分も停車するという前代未聞の定期急行列車なのでありますが、国吉で15分、大多喜で20分間停車するという連続長時間停車を味わえるような汽車旅は、今の日本ではなかなか味わえませんから、昭和の急行列車の汽車旅を再現するいすみ鉄道にはぴったりの列車なのです。

 

そして、こういうゆったりとしたダイヤを組んでみると、乗務員も精神的なゆとりができますから、自然と笑顔が生まれます。

 

お客さんも職員も、みんな笑顔になれるローカル線の観光列車なのであります。

 

どうですか。乗って見たくなったでしょう。

乗車券のほかに料金をいただいているにもかかわらず、これだけ表定速度の低い急行列車は、たぶん日本には他にはないでしょう。そう、この急行5号は日本一遅い急行列車。実は貴重な体験ができる列車なのであります。

 

 

 

窓を開けて駅弁を買うどころか、停車時間があると駅弁売りのおじさんはこのように列車に乗り込んできます。

これは楽しい体験ですよね。

 

ONSEN・ガストロノミーウォーキングin美食の街いすみ

 2018.02.16 Friday 

この春は、いすみ市がどんどん面白くなってきています。

 

美食の街をテーマに地域を歩くONSEN・ガストロノミーウォーキングの第1回が3月4日にいすみ市で開催されます。

 

ONSEN・ガストロノミーウォーキングのWEBページ  (←ここをクリック)

 

3月4日、いすみ市役所に集合して、おいしいものがたくさんあるいすみ市内の約9kmのコースを歩いて回ろうというウォーキング企画です。(有料、事前申し込みが必要です。)

 

【以下、詳細を申し込みページから抜粋します。】

 

********************************************************

 

東京駅から特急で70分。いすみ市は太平洋に面した豊かな自然に恵まれた温暖な地域です。日本有数の漁獲高を誇る伊勢えびをはじめ、マダコやヒラメ、タイなどの魚介類、国際線ファーストクラスにも使われたいすみ米、チーズや日本酒に加え、ドラマ孤独のグルメでブレイクしたいすみ豚など多くの食材に恵まれ、日本を代表する料理人の方々にもお使いいただいております。
今回はいすみの食材の魅力をより多くの方に伝えるため、「ミシュランガイド東京2018」にて一つ星に輝いたレストランのオーナーシェフである杉本敬三シェフ(いすみ大使)にも参加いただき、1日限りの特別な一皿をご提供します。

 

「ONSEN・ガストロノミーツーリズム」とは、日本の魅力あふれる温泉地を拠点にして、その地域特有の「食」、「自然」、「文化・歴史」すべてをウォーキングによって、一度に「体感」できる新たなツーリズムです。
温泉地界隈の自然・歴史を感じながら「めぐって」、その土地の美味しいもの・お酒を「食べて(飲んで)」、そしてウォーキングの後には温泉に「つかって」と楽しんで頂くイベントとしてONSEN・ガストロノミーウォーキングを開催いたします。

 

【当日受付会場】いすみ市役所 大原庁舎
【スタート】いすみ市役所前(JR・いすみ鉄道大原駅から徒歩8分)
【ゴール】木戸泉酒造(JR・いすみ鉄道大原駅から徒歩3分)

当日受付 スタート時間の20分前
出発 9:00〜10:20 ※受付後時差出発(20分ごと)
最終ゴール時間 15:00
コース上のいくつかのガストロノミーポイントで食べて、飲んで、めぐる、3〜4時間かけてゆっくり楽しむウォーキングです。

 

いすみ市は豊かな里山・里海から育まれる、高品質な農水産物が生産される食の台所。そんないすみ市では現在「美食の街いすみ〜サンセバスチャン化計画〜」が進められています。その計画のうちの一つとして、日本最大の若手料理人のコンペティション「RED U-35」の初代グランプリであり、いすみ大使でもある、レストラン ラ フィネスの「杉本敬三」シェフが今回いすみ市のONSEN・ガストロノミーに協力してくれることになりました。その他にもいすみが誇るチーズ、イセエビ、地酒など盛りだくさんで皆様をおもてなしいたします。

・フロマージュKOMAGATA「酒びたし」
JAL国際線ファーストクラスに採用されたチーズ。地酒木戸泉に浸して作られたチーズは口の中で日本酒の風味を放ちながらトロけ広がっていきます。
・イセエビ汁
日本トップクラスの水揚げ高を誇り、その味は一流の料理人をも魅了するいすみ産イセエビ。今回はイセエビの風味を余す所なく味わえる味噌汁でお楽しみいただきます。
・たこしゃぶ
産卵直前の肉厚のマダコは12月から3月までのまさに大原漁港の旬の味覚。「ミシュランガイド東京2018」にて一つ星に輝いたレストランのオーナーシェフである杉本敬三シェフの渾身のつけダレで召し上がれ!
・杉本敬三シェフの本日の一皿
メニューは当日までのお楽しみ。RED U-35(ぐるなび主催)初代チャンピオン、料理マスターズ(農林水産省顕彰)受賞、更に「ミシュランガイド東京2018」にて一つ星に輝いたレストランのオーナーシェフである杉本敬三シェフがいすみの食材を使って、特別な一皿をご用意します。数多の食通を魅了する杉本シェフの一皿にご期待ください。
・源氏食堂のしゅうまい
ドラマ「孤独のグルメ」により一目脚光を浴びた源氏食堂。石破前大臣も絶賛したいすみ豚を使ったジューシーな手作りしゅうまいは食べずには帰れません。
・高秀牧場の自家製ジェラート
フランスの国際チーズコンクールで最優秀賞を獲得した高秀牧場。昨年から自家製ミルクでジェラートも作り始めました。希少なため、いすみ市でしか食べられません。
・木戸泉
木戸泉こだわりの製法、高温山廃仕込みをご存知ですか。純米AFSのすっきりとしたキレのある酸味やその甘みは極上の白ワインのようです。その他にも自然舞や純米醍醐など料理に合わせた日本酒をお楽しみください。

 

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実はこれ、私の友人で観光プロフェッショナルの丁野朗さんという方が関わっている企画です。

いすみ鉄道が走るいすみ市を盛り上げようと、協力してくれているのです。

 

ああ、伊勢海老か。

最近食べてないなあ。

 

そういうあなたも私も、ぜひご参加ください。

 

詳細はWEBページで。

 

皆様のご参加をお待ちいたしております。

観光列車の回転率

 2018.02.15 Thursday 

釧網本線で観光列車を走らせる場合は、できるだけお客様を入れ替えて回転率を上げるべきだというお話をしました。

 

でも、それだけでは不十分で、観光列車そのものの回転率を上げなければならないと私は考えます。

 

釧網本線の話をすれば、当然、根室本線(釧路ー根室)の話もしなければなりませんが、根室本線も釧網本線に負けず劣らず観光的要素が強いところで、こちらはさらに日本の最東端の駅、東根室がありますから、鉄道ファンならずともぜひ行って見たいところということになります。

地元の人はなかなか理解できないかもしれませんが、われわれ内地の人間にとってみたら、最北端とか最東端とか、実にそれだけで旅行の目的地になるような、郷愁を誘うような言葉の響きがありまして、「北へ向かう」などというと、旅情を掻き立てられるのです。

そのことは、かつて走っていた「北斗星」の予約率にもよく表れていて、札幌へ向かう列車は満席でも、上野へ戻ってくる列車は空席があるということがよくありましたが、まさしくこれは、「北へ向かう」という旅情なのでありまして、北斗星は往路を楽しんで、帰りはサッと飛行機で帰ってくるというのがお客様の要望だったのでありますが、だとすれば、せっかく釧路まで行くのですから、観光のお客様としては、絶対に根室にも行って見たい、日本の一番東の駅にも降り立ってみたいという気持ちになりますから、そこに観光地としての需要があるのです。

 

また、根室本線の沿線は、厚岸湾や霧多布湿原など、鉄道の車窓からは味わえない素晴らしい景色もありますから、例えば釧路発着のツアーで、行きは鉄道、帰りはバス。そしてその反対コースと2つのコースを設定すれば、1往復の列車で2組のお客様にご乗車いただくことができますから、客回転が上がりますね。そして、同じ編成の車両を使って、土曜日は根室本線、日曜日は釧網本線というコースを組めば、釧路に滞在して両方の列車に乗りたいという需要にも答えることができると思います。

 

また、根室本線は釧網本線に比べると距離が短いですから、片道3時間程度の観光列車になると思います。とすれば、列車は夕方の4時頃には釧路に戻ってきますから、その車両を釧路ー白糠あたりを往復させて、夕日を見ながらおいしいシシャモなどの海産物に舌鼓を打つという「夕暮れのチョイ飲み列車」のようなものを走らせることも可能です。これが列車の回転を上げるということです。

 

1編成の観光列車が、土曜日に釧路→根室・根室→釧路と2組の客を乗せ、戻って来たらチョイ飲み列車で1組乗せて、翌日の日曜日は釧網本線で4組の客を乗せる。こうすれば土日で7回の客回転ができますね。そしてその度に食事や飲み物、お土産品なども売れるということになりますから、鉄道運賃収入だけじゃない部分も大きなものになります。

 

では、土日に根室、釧網で7回の客回転をした列車はどうするかというと、月曜日に釧路から札幌へ向かうクルーズトレインとして丸一日かけて移動します。当然、全区間乗せる商品だけではなくて、釧路ー帯広・帯広ー札幌でお客様を入れ替えて回転を上げることも必要でしょう。そして札幌で火曜日1日整備を行います。というのも、現在のJRの運行体制を考えると、例えば車両の点検やトイレの汚物処理など、各地域でできない可能性がありますから、週に一度ぐらいは札幌に一旦車両を戻す必要があるからで、その整備点検を火曜日に行って、水、木、金曜日は冬の期間であれば札幌ー小樽ーニセコ(ー長万部)のコースで1日1往復。夏であれば札幌から富良野を1日1往復して、土曜日は札幌から宗谷本線の稚内まで、1日コースの「さいはてクルーズ」。朝札幌を出て、夕方稚内に到着した列車は、夜行列車となって一晩かけて札幌へ戻り、翌日の日曜日に再度「さいはてクルーズ」で稚内へ向かい、月曜日の朝帰って来て、整備を受ける。こういうことを繰り返すことで、道東地区、道北地区、札幌地区の観光列車が1編成で出来上がるわけです。

 

箇条書きにするとこんな感じです。

 

土曜日 根室本線 釧路ー根室ー釧路 釧路ー白糠ー釧路

日曜日 釧網本線 釧路ー網走ー釧路

月曜日 クルーズトレイン 釧路ー札幌

火曜日 点検整備

水曜日 札幌ーニセコ(富良野)

木曜日 札幌ーニセコ(富良野)

金曜日 札幌ーニセコ(富良野)

土曜日 クルーズトレイン 札幌ー稚内ー札幌(帰路は夜行)

日曜日 クルーズトレイン 札幌ー稚内ー札幌(帰路は夜行)

月曜日 点検整備

火曜日 チャーター運転用予備日

水曜日 札幌ーニセコ(富良野)

木曜日 札幌ーニセコ(富良野)

金曜日 札幌ーニセコ(富良野) 札幌ー釧路(夜行)

 

という2週間1サイクルです。

 

根室本線、釧網本線、宗谷本線はそれぞれ1週おきの運転になりますが、当初は集客に苦しむことも考えられますから、まずは1編成の観光列車で、いかに回転を上げてたくさんのお客様を乗せることができるか、ということが勝負になるでしょう。

 

もちろん、世界中から注目を浴びている北海道で観光列車を走らせるのですから、いすみ鉄道のようなオンボロのディーゼルカーではお話になりませんね。まして気象条件の厳しい大自然の中を走る北海道の鉄道ですから、世界中のお客様をお迎えするという意味でも、きちんとした観光列車用の車両を作る必要が出てくるでしょう。

ただし、観光列車は高速運転する必要はありませんから、ディーゼルカーだとしても全部の車両にエンジンを搭載する必要はないでしょうし、最新鋭の技術が必要なこともないと考えられますから、比較的安価に製作することは可能でしょう。個室でバスタブを付けるなんてこともやる必要ありませんから、せいぜいグループ6人用のコンパートメントにカラオケを取り付けて、夜行列車になる時はB寝台になるとか、食堂車を連結してバーカウンターを設置するなどの工夫があれば十分だと思います。

それと外国人用として忘れてはならないのがお座敷車両。通路を挟んで畳が敷かれて、掘りごたつになっているような車両があれば、外国人に大人気になりますし、日本人でも高齢者にとっては喜ばれるでしょう。

 

コンパートメント+食堂車+グリーン畳+グリーン座席+普通座席車というような感じでしょうかね。

 

普通座席車を連結するのは、列車本数が少ない北海道では地元の人の利用に応える必要があるということと、時刻表に載るということ。時刻表に掲載されれば、いつ、どこで観光列車が走るか、誰にでもよくわかりますからね。

 

そして、その観光列車の車両の最大の条件は、「撮り鉄」の皆様方の注目を浴びる車両であること。わざわざ北海道まで出かけて行ってでも撮影したくなるような車両じゃなければ意味がありません。

その理由は、乗せて何ぼの鉄道ビジネスではありますが、実際に乗せることができるお客様には限りがありますが、撮り鉄の皆さんであればたくさん来ても困りません。困るどころか、そういう皆さんが地域のお金を落としてくれて、地域を宣伝してくれるのですから、そういう意味で観光列車を走らせる大きな価値があるのです。

 

どうですか?

夢が膨らみますね。

列車の回転を上げて、お客様の回転も上げて、一週間ごとに道東と道北で走って、平日は集客のしやすい札幌近郊で走り、道東、道北の行き帰りにはクルーズトレインや夜行列車にもなる。まして、車両は鉄道ファンの皆様方が、わざわざ北海道まで撮影に来たくなる車両であれば、たった1編成、せいぜい5両編成程度の列車を作るだけで、北海道全体の観光振興になる。

これが現時点で私が考える北海道の観光列車の在り方ということであります。

 

そして、問題としては、お金をどうするかということと、誰がやるのかということ。

まあ、お金は何とかなるとして、きちんとしたサービス、それも最高峰のサービスをいったい誰がやるのか。

 

ここなんですよね。

克服しなければならない問題は。

 

ああ、考えるとまた眠れなくなりそうなのであります。

 

以上は、ひとり言の戯けですから、皆さんあまり気にしないでくださいね。

 

釧網本線の観光列車

 2018.02.14 Wednesday 

先月、釧網本線で観光列車を試験的に走らせる試みが行われました。

その時にインタビューを受けました釧路新聞が私の記事を書いてくれましたのでご紹介させていただきます。

 

 

茅沼駅のMYドーリンの前で撮られた写真が使われていますが、こんな風な立派な記事にしていただけるのでしたら、もっとちゃんとした衣装で撮ってもらえばよかった気がします。

 

それはさておき、なぜ、釧路と網走を結ぶ釧網本線がJRが考えると「要らない路線」の仲間入りをするかといえば、これは、自分たちの商売を純粋に都市間輸送と考えているからでありまして、「インターシティ」つまり都市と都市とを結ぶ輸送需要という考え方がもとになっています。皆さん、「ハブ&スポーク・システム」って聞いたことがありますか?

これは1980年代以降の都市間輸送の基本をなす考え方で、航空会社でよく使われる手法なのですが、たとえば航空路線図で言えば、日本は東京を中心(ハブ)にして放射(スポーク)状に航空路線が発達しています。

具体例として説明すると、鹿児島の人が富山へ行こうと思ったら、どういうルートが考えられるでしょうか?

鹿児島から大阪まで飛行機で来ても、大阪から富山へは飛行機が飛んでいませんから、当然、鹿児島ー東京ー富山というルートになります。

鹿児島の人は何の用事もないのに、一旦東京を経由して富山へ行くことになるというのが、ハブ&スポーク・システムの特徴で、たとえ遠回りをしても、その方が速いという仕組みになっているからです。

私は富山県に対して東京ー富山の航空路線を新幹線ができたからと言って廃止にしてはいけませんよと助言しているのは、これが理由で、航空路線網を考えた場合、東京を中心とした「ハブ&スポーク・システム」の路線網から欠落してしまうからで、そうなると目に見えない大きな損失が起きるのですが、富山の人たちはなかなかそういうことに気づかないのです。

つまり、都市間連絡という考え方をすれば、極端な話、北海道の釧路の人が函館へ行こうと考えた場合でも、当然、釧路ー東京ー函館と飛ぶ方が速いという逆転現象がおきることもあるのです。

 

同じ考えを北海道のJR路線に適用すると、JR北海道は札幌を拠点として、函館、室蘭、小樽、旭川、稚内、北見、網走、帯広、釧路と放射状に伸びた「ハブ&スポーク・システム」で成り立っているからで、その区間をシャトルするフリークェントサービスを行なうことが輸送の使命であると考えているからです。そして、その点から言えば、釧網本線はスポークの先端と先端を結ぶ路線ですから、輸送システムの中では「要らない路線」ということになるわけです。

 

でも、我々は鉄道の使命というのは「輸送」だけではないと考えていますから、例えば「観光」を考えた場合に、観光客は同じところを行ったり来たりするだけではなくて、周遊、回遊を好みますから、スポークの先端と先端を結べば、札幌を中心として、ぐるっと周遊、回遊ルートが出来上がるわけですし、そうすればスポークの先端までお客様は乗ってくれますから商売になる。つまり、釧網本線は「必要な路線」ということになるのです。

 

さて、その釧網本線の観光列車の中で私が提案しているのは「回転を上げる」ということでありまして、つまり、区間を2つに区切って、片道あたりお客様を2組乗せて入れ替えることができるのですが、これは両端をスポークの先端に接続しているという釧網本線が持つルート的優位性です。そこで観光列車という商品の具体的な組み立て方ですが、「釧路湿原コース」と「オホーツク海コース」という2つのコースを作りまして、お客様を途中で入れ替えるのです。そうすると、釧路から網走を1往復すると4組のお客様にご乗車いただくことになりますから、片道全区間ご乗車いただくよりも、お客様の回転がよくなります。釧網本線は全区間約3時間の運転ですが、観光列車であれば途中で停まりながらゆっくりと4時間で走るとしましょう。その4時間を通して乗車するというのは、鉄道マニアならともかく、一般の観光客では辛いものがあるでしょう。だから、釧路ー川湯温泉(2時間)、川湯温泉ー網走(2時間)というようなコースを組んで、1往復で4組のお客様にご乗車いただく方式です。

私は、釧網本線の釧路ー網走間は観光鉄道としてそれなりの列車を走らせれば、片道3万円の商品になると考えています。JRがいろいろな規則や法律の中で列車を走らせている今のやり方では、片道3千円程度にしかなりませんが、このコースであれば3万円になります。でも、3万円のお客様というのは、なかなか限られたマーケットになりますから、2つに分けて、各区間18000円ぐらいにすれば、1人3万円のお客様を見つけるよりも、はるかに満席になる可能性が高くなりますから、営業効率も上がります。

また、片道1人のお客様では、例えば駅弁は1個しか売れませんし、お土産も1回しか買いません。それが片道2人になれば、駅弁も2個売れるし、お土産も2回買いますから、売り上げも上がるのです。

ということは、それだけ地元に入るお金も大きいものになりますし、地元の人たちもやりがいがある列車ということになるでしょうね。

 

「これから観光列車をやって行きましょう。」というような意見が集まってくると、企画する側もできるだけ立派な車両を作って、北海道全体をまわるクルーズトレインのようなことをやりたいと考えると思います。

でも、営業的に見ればそれは間違いで、1人のお客様を長く引き留めてはいけないのです。なぜなら、できるだけ長時間、長距離を乗っていただくよりも、回転を上げることが売り上げUPの基本だからで、売り上げが上がらなければ、地元の人たちは潤いませんし、やっていても楽しくないからです。

 

では、なぜ私がこんなことを考えるかというと、それは私が長距離と短距離の両方の航空会社に勤務していた経験があるからです。皆さん、これから航空会社を始めるとしたら、東京からロンドンやニューヨークへ行く航空会社と、東京からソウルや台北へ行く航空会社のどちらを始めますか?

技術的なことを考えずに「やってみたいなあ」という憧れだけで言うと、誰だってロンドンやニューヨークへ行く長距離航空会社の方が良いでしょう。運賃だって高額になりますから、客単価も上がりそうだし、儲かりそうですよね。でも、客回転、飛行機の回転を考えると、長距離の航空会社はそんなに儲かるものではなくて、例えば機内販売の免税品なども、長距離であろうが短距離であろうが、お客様は1度しか買いませんからね。東京からロンドンやニューヨークへは12時間以上かかります。その同じ12時間あれば、東京ーソウル2往復できますから、お客様は4組入れ替わります。免税品も4回買ってもらえますし、何しろ、ロンドンへ行くお客様よりもソウルや台北へ行くお客様の方がはるかに見つけやすいですから、商売としてのうまみがそれだけ多くあるということです。

 

北海道の関係者の皆様方に申しあげますが、ゆめゆめ、クルーズトレインで全道一周のためのコースや列車を考えてはダメですよ。観光列車はシャトルです。それも、特急列車やバスとつないで、お客様を入れ替えること。そうすれば回転が上がりますから落ちるお金も大きくなるということです。そして、どうしてもクルーズトレインをやりたいのであれば、釧路に常駐させている観光車両を整備のために札幌へ送る時などに旅客扱いをすれば、めったに乗れないというプレミアム感が増しますから、集客はしやすくなると思います。

 

私が考える釧網本線観光列車コース

 

1:釧路 9:00ーー釧路湿原ーー標茶ーー川湯温泉 10:50着

2:川湯温泉 11:10発ーー知床斜里ーー浜小清水ーー北浜ーー網走 13:00着

3:網走 13:20発ーー北浜ーー浜小清水ーー知床斜里ーー川湯温泉 15:10着

4:川湯温泉 15:20発ーー標茶ーー釧路湿原ーー釧路 17:10着

 

季節によって時間を多少変更し、最後は釧路湿原に沈む夕日を見ながら軽く一杯飲めるおしゃれな列車にすれば、第4コースまできちんとお客様は埋まりますよ。

 

いかがでしょうか。

 

ということが新聞のインタビューに書かれていることなのでございます。

 

釧網本線、LOVEです。

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