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民のかまどは賑わいにけり

 2018.04.01 Sunday 

この土日はいすみ鉄道沿線にはたくさんのお客様にお越しいただきました。

 

一部列車も江ノ電なみの混雑で、せっかくのんびりとローカル線を楽しもうという目的でお越しいただきました皆様には、期待外れでご迷惑をおかけいたしました。

 

今年は桜が早く咲いたので、この土日は桜と菜の花の競演が見られるとあって、驚くほどたくさんの皆様がいらっしゃいました。

 

土曜日の朝8時半の大原駅。

ごった返していました。

 

 

こちらは本日の同じ時間帯の大原駅ホーム。

列車到着前から急行1号(9:10発)にご乗車のお客様が行列です。

 

そのお客様に応対するサービスの最前線のキハクルー。

カッケー!

 

私のブログの愛読者の方もご家族でいらしていただきました。

 

おやおや、新聞記者の友人も飛行機に乗って北海道からやって来てくれましたよ。

 

皆さん、ありがとうございます。

 

 


午前中の国吉駅もたくさんの人。

 

 

駅前では地元のイベントが開催中です。(次回は4月7・8日)

 

駅ばかりではありません。

 

 

 

 

こちらは沿線の様子。

桜と菜の花の土手にはこんなにたくさんのカメラマンが、今か今かと列車が来るのを待ち構えています。

 

 

こんな感じですよ。

 

 

数少ない車両をやりくりしても、給油や整備の関係上、時間帯によってはどうしても1両での運転になってしまうのですが、そういう列車ではこんなに混雑してしまいます。

車内を見ると向こう側が見えないぐらいお客様にお乗りいただいています。

 

でも、こういうお客様が皆さん列車に乗って、駅で降りて、地域のお店に入ってお金を落とすんです。

 

いつだったか、大多喜のお蕎麦屋さんの奥さんに言われました。

 

「いすみ鉄道さんのおかげで、本当にお客様が多くいらっしゃるようになったんですよ。」

 

私は、お蕎麦屋さんの奥さんが、なぜいすみ鉄道でお客様がやってきているのかわかるかが不思議だったので、

 

「い鉄で来たお客様かどうか、わかるんですか?」

と訪ねたんです。そうしたら、

「わかるわよ。だいたい1時間毎ぐらいにお客さんが入ってくるでしょ。」

「ほう、ほう。」

「それでね、2人で来てビールを頼むんだけど、みんな『グラス2つ』って言うのよ。」

「それでわかるんですか?」

「だって、車で来てれば一人は運転手だけど、2人ともビール飲むんだから、い鉄で来てるってことでしょ。」

「なるほど!」

さすがご商売をされている人は、細かいところまで気が付くんですね。

 

つまり、沿線が確かに、ゆっくりとかもしれませんが、確実に賑やかになって、潤ってきているんだと思います。

 

私は公募社長ですから、その公募社長としての使命は、「いすみ鉄道を廃止にしないこと。」

 

そりゃあ黒字にできればそれに越したことはありませんが、この国には上下分離万能論というのを国が提唱した経緯があるから、上下分離さえすれば黒字になると信じている人たちが実に多い。だけど、上下分離さえすれば必ず黒字になるのだとすれば、田舎のバスは全部黒字のはずなんです。だって、バスの方がはるかにこまめに路線営業できて、お客様のニーズに合ったサービス展開ができるのですから。でも、その田舎のバスがみんな赤字だということは、上下分離万能論というのは間違っているんです。

 

私は就任してすぐにそういうことに気づいたので、黒字にすることによっていすみ鉄道を存続させようということはひと言も言っていないわけで、それ以外の方法で鉄道を存続させようと考えて、地域に利益をもたらす存在になることならできるだろうと、ずっとそればかりやってきました。

ローカル線があれば、テレビや雑誌がやってくる。

ローカル線があれば、地域が有名になる。

ローカル線があれば、観光客がやってくる。

観光客がやってくれば地域にお金が落ちる。

地域にお金が落ちれば経済が動き出す。

経済が動き出せば地域が元気になる。

 

今から9年前に就任した時には、まだ「地方創生」などという言葉はありませんでした。

でも、私はローカル線をそういう使い方をすることで、今まで一生懸命ローカル線を守って来た地域の皆さんが「良い思い」ができるようになれば、「廃止にしない」という結論になるだろう。

 

ずっとそのやり方でやってきました。

就任してから丸9年。

今、まさに、いすみ鉄道沿線はそうなったと確信できるようになりました。

 

 

夕方4時半に最終のキハが上総中野方面から大多喜に到着。

この時間帯で、こんなに多くのお客様が降りてこられました。

団体ではありません。皆さん個人のお客様です。

団体は営業ががんばれば来てくれますが、個人のお客様にいらしていただくことは難しい。

これは観光の常識ですが、その個人のお客様が、こんなにたくさん、しかも夕方の大多喜駅に降り立つ。

 

これも含めて、いすみ鉄道はそういう鉄道になりました。

 

こうなった以上、赤字でも廃止はできませんよね。
今日から新年度が始まりましたが、昨年度の決算も赤字の予測です。

千葉県の試算では、これからもずっと赤字らしいですが、だからと言って、「じゃあ、廃止にしましょう。」という議論は起きません。

つまり、地域に利益をもたらしていることは明らかだということを、皆さんしっかりご理解いただいている。

 

おそらくローカル線の歴史上、初めてではないでしょうか。

赤字だけど廃止できないローカル線ってのは。

 

奇しくも昨日、別のローカル線が廃止になりました。

JR西日本の三江線です。

その理由は赤字だから。

 

でも、いすみ鉄道は赤字でも廃止議論が起きなくなった。

 

ということは、私の公募社長としての使命は達成した、ということなのです。

 

この土日で、私ははっきりとそう悟りました。

 

2泊3日の勤務を終えて、夜の10時半過ぎに帰宅して、体はへとへとですが、気分は実に爽快なのであります。

 

 

写真提供

松本圭史さん、古谷彰浩さん、川村高志さん。

皆さん、いつも素晴らしい作品をありがとうございます。

 

 

 

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