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釧網本線の旅

 2018.04.26 Thursday 

昨日は釧路から網走まで釧網本線を旅しました。

 

釧路と網走を結ぶから釧網。でも、「せんもう」って知らないと読めませんよね。

今ではそれほどレアな路線ですが、この釧網本線は全国屈指の見どころ豊富な路線で、ローカル線の横綱的な存在です。

 

 

 

 

さて、朝の釧路駅から乗車したのは快速「しれとこ摩周」号。

前日の花咲線と同じキハ54形のディーゼルカーです。

列車名が最近「しれとこ」から「しれとこ摩周」と変わり、ヘッドマークも新しいものに取り換えられました。

 

車内はこんな感じ。古い新幹線の座席を流用したシートはくたびれが来ているものの、なかなか快適です。

 

釧網本線は釧路湿原の中を走る路線で、世界条約に加盟した今となっては、湿原の中を走る鉄道など作ることができませんから、それだけでも価値がある守らなければならない路線です。

このように原始的な姿をそのまま残す釧路川に沿って走ります。

 

塘路駅で対向列車と交換。

まだまだ寒そうな景色です。

 

実は私、昔から釧網本線が大好きで、この区間を何度も旅しているのですが、この写真は40年前に撮った同じ塘路駅。

この時乗っていた列車は釧路行でしたから、上の昨日の写真で対向列車が写っているちょうどそのあたりでシャッターを切ったものです。

こちらの列車はディーゼル機関車が牽引する古い客車。対向のキハの向こうに貨車が停まっているのが見えますね。

当時は貨物の取り扱いもしていたと思われますが、今ではその場所は草にまみれた空き地になっています。

 

塘路を出ると道路と離れて列車は湿原の中を走ります。

車では見ることのできない景色が線路の両側に広がります。

ハクチョウがいますね。

シラルトロ湖です。

こういう絶景ポイントが釧網線には各所にありますから、とにかくただ列車が走るだけで観光鉄道になる路線なのですが、鉄道というのは、景色が良いところというのは峠道や谷あいだったりして、実は昔からの難所なんです。だから、自然環境が厳しくて災害に弱いのです。

この区間も大雨の被害を受けて線路が不通になるなど、鉄道会社としては実に大変な区間でもあります。

 

列車は茅沼に到着しました。

この茅沼駅は、何度も申しあげているようにMy Stationなのでありまして、右に見えますのがMy ドーリン。

四国の小松島で活躍したC58形蒸気機関車の88号機のもので、縁あって私が手に入れたものを、ここ茅沼に運びました。

あの動輪のあるあたり一帯は私が所有する地目「原野」の私の土地なのです。

だから、こうして時々やってきているのです。

何しろこの駅は丹頂鶴が来る駅なのであります。

 

 

 

茅沼を出て標茶(しべちゃ)へ向かう途中、牧草地にたくさんの丹頂鶴がいました。

急いでシャッターを切ったのですが見えますでしょうか。

白く点々と写っているのが丹頂鶴です。

ここだけで15羽以上いますね。

つまりは、そういう地域なのであります。

 

美留和駅の駅舎。

国鉄時代末期に不要になった貨物列車の車両を駅舎代わりに設置したものですが、かつては全国いたるところにみられましたが、だいぶ減ってきたように思います。ここではきれいに整備されて使われていました。

 

 

列車は峠を越えて釧路管内から網走管内へ入ると、右手に斜里岳が見えてきました。

この斜里岳は美しい山で、私の大好きな山の一つですが、今回の旅でも姿を見ることができてハッピーでした。

 

知床斜里駅で釧路行の快速「しれとこ摩周」と交換。

優等列車同士のすれ違いの瞬間です。一瞬駅構内が華やいだように感じたのは、たぶん私だけでしょうね。

釧路から乗ってきたバックパッカーのお姉さんがここで下車。車内は7〜8人の乗車でしたが、釧路から乗り通したのは私一人だけになりました。

 

知床斜里からはいよいよオホーツク流氷路線。

北海道観光列車会議の委員として来てますので、この1年で3回目ですが、何度乗っても最高です。

 

窓から見ると、まるで船に乗っているようでしょう。

 


原生花園と呼ばれる地域ですから、夏になるとお花畑に変わるところです。

 

止別駅。

この駅舎がラーメン屋さんになっています。

列車のお客様は誰も乗り降りしませんでしたが、ラーメン屋さんは繁盛していました。

 

お客さんがいるのが見えますか?

 

鉄道の駅を上手に使っている良い例でしょう。

なにしろラーメン屋さんという商売は難しい商売だといわれていますが、ローカル線の駅というものをうまく宣伝として使うことで、テレビは来るわ雑誌は来るわで、繁盛店になるとすれば、使った方がよいでしょうね。

駅ですから、駅前広場もあれば車でも当然乗り付けられるわけで、駐車場にも困りませんからね。

 

こちらは有名な北浜駅。

バスツアーの観光客で賑わっていました。

でも、誰も乗り降りしません。

ただ写真撮るだけ。

これはいただけませんね。

バスツアーでも、例えば北浜から浜小清水まで乗せるぐらいのことをしなければ、鉄道に貢献しません。

ただ、「有名な駅に行きました」というだけで、お金になりませんからね。

トイレだけ使われて、何の役にも立ちません。

北浜駅の駅舎は喫茶店になっているのですが、1バス対応はできませんから、お金を落としてもらう仕組みをちゃんと作らないと、鉄道も駅も残れませんね。

 

あまりにももったいない話です。

 

 

ということで、約3時間の旅を終えて、終着駅網走に到着しました。

 

その網走で見かけたのは、観光用として新塗装になった車両。

JRだってできることからやっているじゃないですか。
もっと地元民が熱心にならないといけませんね。

 

という考えの私を駅で待っていてくれたのがこの方。

網走市議会議員の近藤憲治さんです。

 

元北海道新聞の記者で、北海道を何とかしなければと議員になられたバイタリティーあふれる若者です。

私は以前にお会いしてお話しさせていただいておりますが、近藤さんは今、釧網本線をもっと盛り上げようという活動をされていて、強いエネルギーを感じます。

「今度、いすみ鉄道に行きますからね。」とおっしゃっていただきましたが、私のやり方をご理解いただいているありがたいお方です。

 

ちなみに近藤さんと私が立っている網走駅の改札口の40年前の同じ場所です。

 

すごいですねえ。人生って。

昔から日本全国をうろついていたのであります。

 

でもって、この白黒写真に出ている行先にご注目。

一番右に19:23発の中湧別行ってのがありますね。

これは湧網(ゆうもう)線の列車です。

国鉄からJRになるときに廃止にされたローカル線です。

悲しいことに「ゆうもう」で変換しても、今の時代は「勇猛」としか出てきませんからね。

 

私が今回行きたかったのは、この湧網線の線路跡が今どうなっているか。

廃止されて数年後に一度訪ねているのですが、今回久しぶりにもう一度行ってみました。

25年ぶりです。

 

湧別線の線路跡はオホーツクサイクリングロードになっています。

最高気温が8度の日でしたから、誰もいませんけど、走ってみたいなあ。という気にさせる道です。

 

自転車に乗って「ガタンゴトン、パーン」とか言いながら。

 

 

こちらは卯原内(うばらない)の駅跡に保存されている9600形蒸気機関車と1両の旧型客車。

貴重なものが保存されていますね。

 

こういう場所です。

向こうに見えるのは能取湖(のとろこ)。

なんという素晴らしい景色でしょう。

今、この湧網線が残っていたら、大人気の観光路線になっていたに違いありません。

こういう資源を昭和の馬鹿どもは捨ててしまったんですから、もったいないことをしましたねえ。

 

 

ここは網走市の鉄道記念館になっていて、中を見せていただくと、

 

 

貴重な国鉄時代のお宝がたくさん保管展示されていました。

「上野ー会津若松」なんてのもありますね。私のコレクションと同じです。

 

この貴重な資料館を管理されていらっしゃる谷地広明さんです。

建物の一角でエルコンドルというカフェを営むご主人です。

千葉から来たと言ったら、定休日なのにお店を開けてくれて、旧型客車の中も見せていただきました。

 

昔懐かしい旧型客車です。

きちんと保存されてますね。

 

「古い客車をこれだけきれいに保存していただいてありがとうございます。」と申し上げましたところ、

「いやいや、酷かったんですよ。ボロボロで雨漏りしてたし。そこで、クラウドファンディングやってお金を集めてね。」

「そうですね、今の時代はそれができますからね。」

と私が申し上げたところ、谷地さんがこう言われました。

 

「でもね、私は、それって違うと思うんですよ。札幌や東京の人たちにお金を出してもらうってのなら、まず地元が出さなくちゃ。だから、商店会みんなに声をかけて、地元でお金を集めたんですよ。」

 

いやいや、これには参りました。

立派ですよ、谷地さんの考え方。

 

で、私は尋ねたんです。

「谷地さん、鉄道マニアですか?」

って。

 

そしたら、「いや、全然興味ないしわからない。」とおっしゃる。

 

では、なぜ?

 

「ここにせっかくこういう貴重なものがあるんだから、今あるものをきちんと使って、何とか地域を盛り上げないといけないでしょ。だから、私はやってるんです。」

 

すごいなあと思いました。

 

この交通資料館はバスの待合所にもなっていて、つまりきちんと管理しなければならないんです。

関東地方と違って北海道の豪雪地帯ですから、除雪もあれば暖房も入れなければなりません。

私たちには信じられませんが、公衆トイレにも暖房が入っている地域です。

鉄道ファンでもない人が、ずっとずっとそういう管理をやられていらっしゃる。

廃線跡ですから特に誰からも注目されるわけでもありません。

でも、谷地さんにとってはライフワークのようになっている。

 

こういう方が地域にいらっしゃって、コツコツと、それも楽しみながら活動されている。

 

なんだかすごいなあと思いました。

 

鉄道が廃止になって30年。

それでも、今、立派に鉄道記念館として存在しているのはうれしかったです。

 

「うちの親戚、茂原にいるんですよ。」

 

嬉しい一言でした。

 

今回の旅では、いろいろ地方で活動されている皆様方にお会いできました。

 

ローカル線って廃止になった後でもこれだけ価値があるんですから、今あるものをどうやって有効に使うかってことが、今の田舎のテーマなんだと思います。

 

湧網線、本当にもったいなかったと思いますが、花咲線や釧網本線など、今、せっかくあるのですから、きちんと有効に使って、地域の発展に役立てていくことが、私たち今を生きる人間の務めなのだと思います。

 

「平成の馬鹿どもは、もったいないことをしやがって。」

 

と、のちの時代の人たちから言われないためにも。

 

今回の旅でお世話になった皆様、ありがとうございました。

 

 

喫茶&軽食 エル・コンドル

電話 0152-47-2677

 

ご訪問の際はお電話にてご確認されることをお勧めします。

「いすみ鉄道の社長から聞いた。」とおっしゃる場合は、お土産が必要ですよ。(笑)

 

 

 

 

 

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