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明るい未来へ向かって

 2018.06.12 Tuesday 

本日、いすみ鉄道株主総会が開催されました。

 

その席上で、新しい取締役が承認されました。

その中には私の名前はありません。

ということで、本日を持ちまして、いすみ鉄道社長職を退任させていただきました。

 

9年間の長きにわたり、ご支持いただきました皆様方に深く御礼を申し上げます。

ありがとうございました。

 

思い起こせば9年前、2009年の6月に社長に就任してから、手探りでやってまいりましたが、おかげさまで本当に充実した期間を送ることができました。また、いすみ鉄道も本日まできちんと走ることができましたことも、当時を振り返ると奇跡のような出来事だと思いますが、やはり地域の皆様方と、関係各所の方々のご尽力あってのことですので、本当にありがたいことだったと感謝いたしております。

 

ローカル線問題というのは、かれこれ50年近くこの国の課題としてやってきて、今でもくすぶっていて未解決の国家的課題でありますが、私は、鉄道というものは郷土愛を育むツールとしては実に有効なものであると考えてこの人生を過ごしてきました。

ローカル線が走る景色は素晴らしいですし、ローカル線が走ると、単なる田んぼの景色が、単なる田んぼじゃなくなるんです。そういう郷土愛を育むシーンを、一人でも多くの皆様方にご理解いただけるようになれば、ローカル線を通じて郷土愛がはぐくまれ、つまり、この、日本という国の四季折々の素晴らしい風景や、そこに住む人々の暮らしにもっとスポットライトを当てることができますし、そうすれば、日本の田舎はもっともっと元気になれる。私は今でもそう信じております。

 

1973年(昭和48年)4月 木原線 上総中野駅

 

 

東京生まれで東京育ちの私は、中学1年生の時に初めていすみ鉄道(旧国鉄木原線)に乗りました。

当時でも東京には田んぼなどありませんでしたから、のんびりと走るディーゼルカーの窓を開けて、田を渡る風の心地よさを感じたことを今でもはっきりと覚えています。田舎の良さに初めて気づいたのが、いすみ鉄道沿線でした。

 

だから、私にはこの鉄道はなくなってほしくなかったんです。

航空会社の要職を棒に振ってでも、何とか残したい鉄道でした。

 

地域の足としての役割は終わったかもしれないけれど、もっと別の使い方があるはずだと、奮闘してきたのがこの9年間です。

なぜなら、「役割が終わったから、もう要りません。」というような話をするならば、今の時代は、山の中の城下町だって、太平洋の漁港の町だって、都会の人たちから見ればすでに役割を終わっているのですから、無くなっても誰も困らないと言われてしまうから、私は、もっと工夫して、生き残る道を考えるべきだと思っていたからです。

 

今、いすみ鉄道はたくさんの子供たちでにぎわうようになりました。

 

 

親子でこういうところへ来て、都会の子供たちが、お母さんが作ったおにぎりやサンドイッチを食べたらどうでしょうか。

「お母さん、楽しかったね。」という思い出ができるでしょう。

その子が大きくなったとき、きっと覚えてくれているはずです。

その子の思い出が、いすみ鉄道の思い出で、房総半島の思い出で、千葉県の思い出になるんです。

 

毎年やっている親子稲刈り体験。

都会からやってきた子供たちが、お母さん、お父さんと稲刈りを体験する。

きっと、この子供たちの原風景になってくれるでしょう。

 

東京から近いから、鉄道好きな子供たちだったら、このぐらいの年齢になれば子供同士で来れますよね。

考えてみたら、40数年前の私がここにいるのです。

 

そうして、こういう子どもたちが、「ローカル線って良いところだよね。」「田舎って良いところだよね。」という思い出を持って大人になっていく。こういう子どもたちを一人でも多く20年後、30年後のこの国の将来へ送り込むんです。

そうすれば、ローカル線も、田舎の景色も次の世代につながっていくと私は確信しています。

 

今の日本は、田舎には基幹産業がありません。

お金を稼ぐすべがないにもかかわらず、田舎の人たちが生活のために使うお金は、みな都会の会社に吸い取られるようにできています。

車を買って、保険に入って、ガソリンを入れて、コンビニへ行って、ファミレスに行って・・・

そういうところで使ったお金は、みんな都会の会社が儲かるようになっています。

田舎の家の子供が都会の大学へ行く。私立大学で下宿をさせたとしたら、1年間で200万円。4年間で800万円のお金が、田舎から都会へ行ってしまうのが世の中の現実です。

だから、私は、田舎というのは、都会のお金をどんどん持ってくるべきだと考えています。

ローカル線だって同じです。

東京で儲かった人たちのお金を、どういう形で田舎に持ってくるか。

これが今の時代は問われています。

つまり、田舎というのは、都会の人たちに喜んでもらえる仕組みづくりをしなければならないのです。

そして、喜んでいただいて、お金を使っていただくことが求められているのです。

 

そういう、都会の人たちに評価される仕組みづくりを行わないと、これからの世の中は、田舎にはお金が入ってこなくなります。

これが地方創生です。

好むと好まざるとにかかわらず、そういう時代がやってくるのです。

そんな時、ローカル線があれば、都会の人たちに振り向いてもらいやすい。

テレビも来るし雑誌にも書いてもらえるし、ローカル線は広告塔になりますから、ローカル線のないところに比べると、実に有利なんですね。

そして、そのローカル線は、地域の皆さんが、汗水たらして、あるいは血も流して守ってきたのですから、これからの時代は、ローカル線が地域に恩恵をもたらす。そういう時代になると私は確信しています。日本全国の皆様方が、いすみ鉄道の取り組みを見てそうお気づきになっていると思います。

 

そう思っているのであれば、あとは実行しなければ明るい未来はやってきません。

 

日本全国の田舎の皆様、ぜひ頑張ってください。

ご希望があれば、喜んでお手伝いさせていただきます。

 

明るい日本の未来へ向かって。一緒にがんばりましょう。

 

ただし、儲けようと思ったらだめですよ。

田舎の人間の目先の利益を追いかける姑息な商売など、都会の人間にはすぐに見破られてしまいますから。

儲けは後からついてきます。

そして、地域全体でトータルで儲かればよいのですから。

それがインフラとしての鉄道なのです。

昔の人が教えてくれるそういう基本原則も理解できないような人たちの地域には、残念ながら明るい未来はありません。

これもまた現実ですからね。

同じ頑張るにしても、方法を吟味して、できるだけ効率的にがんばるのがこれから求められることなのです。

 

お金のないいすみ鉄道でもできたのですからね。

 

 

本日で「いすみ鉄道社長ブログ」は終了いたします。

 

9年間の長きにわたりご支持いただきましてありがとうございました。

 

このブログは、6月下旬ごろまで表示いたしますが、その後はいすみ鉄道ホームページからは削除いたします。

どうぞご了承ください。

 

どこかで私のことを見かけたら、お気軽にお声をおかけくださいね。

また、きっと、お会いできますよ。

なぜなら、世の中、そういうものですからね。

 

チャレンジすることは、素晴らしいことなのです。

 

ローカル線と日本の明るい未来を作って行きましょう。

 

今後ともいすみ鉄道を、特に頑張って働いてくれているいすみ鉄道のスタッフを、どうぞよろしくお願いいたします。

長い間ありがとうございました。

 

 

I will be seeing you.

So long.

 

 

【業務連絡】

・私への取材のお申込み等に関しましては、当面の間いすみ鉄道までご連絡ください。

メールアドレスはこちらです。 mail@isumirail.co.jp

・お手紙、郵便等に関しましてはお受け取りいたしかねますのでご了承ください。

・私個人へのメッセージはFacebookにて対応いたしますが、業務に関する連絡以外にはお返事をお出しすることができない場合がございます。

・本来でしたら、お世話になりました皆様方へそれぞれご挨拶するべきところでございますが、こちらにてご挨拶と代えさせていただきます。ありがとうございました。

・木更津の大川さん、例の件は進めておりますので、国吉のカケス団長までご連絡をお願いいたします。

 

引き続き、Facebookで近況報告をさせていただく予定です。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

Love & Peace forever .

 

 

 

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